
映画「海賊とよばれた男」のあらすじとキャスト、そして登場人物のモデルとなった出光興産創業者・出光佐三について紹介します。
映画の原作は「永遠の0」で有名な百田尚樹の同名の大ヒット小説です。
映画は、「永遠の0」と同じく山崎貴監督と主演・岡田准一のゴールデンコンビです。
これは期待大ですね!
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「海賊とよばれた男」のあらすじ
石炭が主な燃料だった明治44年、石油の将来性を予見した25歳の青年・国岡鐡造(岡田准一)は、北九州・門司で国岡商店を旗揚げした。
鐡造は、当時の小型漁船の燃料は灯油だったが、当時は税金がかからず安価であった軽油を、商売の縄張りが無い「海の上」で船に直接売ることを考え出し実行する。
商売は大成功し、関門海峡を縦横無尽に暴れまわる鐡造率いる国岡商店は、「海賊」と呼ばれるほどの活躍を見せた。
日本国内の軽油販売で成功した国岡商店は海外に打って出る。満州の国営鉄道会社”満鉄”の車両用の機械油を売り込み始める。
満鉄は、アメリカの巨大石油会社(メジャー)と取引しており、国岡商店の入り込む余地はないかと思われたが、極寒の地での品質勝負に勝ち、満鉄との契約を勝ち取る。
その後、国岡商店は度重なる苦難を乗り越え、事業を拡大して行く。しかし、時代は昭和初期、日本は戦争へと突入して行く。
昭和20年の終戦で日本の主要都市は爆撃により瓦礫の山となった。国岡商店も戦争で店員の多くを失い、また自ら商店を去って行くものも多かった。
店員全員が途方に暮れて失意に包まれているとき、鐡造はわずかに残った店員を集めて毅然と話した。
「戦争に負けたからと言って、誇りを失ってはならない。すべてを失おうとも、日本人がいるかぎり、この国は必ずや再び立ち上がる日が来る」と。
だが、失望から立ち直る国岡商店に、売るべき商品「石油」がそもそもないという現実が襲いかかるが鐡造は決してあきらめず、型破りの発想と行動力、そして部下への愛情で、新たな道を切り拓いて行く。
そしてついに配線の悲報にくれる日本人に大きな衝撃を与える事件が勃発する。
石油メジャーから敵視されていた国岡商店は、メジャーの包囲網により全ての石油輸入ルートを封鎖されてしまう。
残る仕入先であるイランの石油産業はイギリスに牛耳られており、その利益のほとんどはイランに還元されておらず、イラン国民の生活は困窮していた。
国岡鐡造は、唯一所有するタンカー「日章丸」を秘密裏にイランに派遣するという”狂気”とも言える手に出た。
イラン国民の苦境と日本や自らの苦境とを重ね合わせた鐡造は、店員の反対を押し切り、石油メジャーとの戦いに臨む。
はたして、日章丸は英国艦隊の目をかいくぐり、無事に日本に帰還できるのか?
衝撃の結末は、劇場で確認してください!
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「海賊とよばれた男」の登場人物とキャスト
映画「海賊とよばれた男」の登場人物とキャストを紹介していきます。
主役の国岡鐡造をはじめ実在の人物が多数モデルになっています。
また原作の小説では登場しないオリジナルの人物もいます。
登場人物相関図

国岡鐡造(演:岡田准一)
主人公。国岡商店の創業者。
石油の将来性を予見し、「士魂商才」を座右の銘に、若くして石油販売業に乗り出す。
破天荒な発想と行動力で既得権益がはびこる石油業界で販路を拡大し、”海賊”と恐れられる。
戦後、アメリカの石油メジャーを相手に国岡商店の店員とともに孤軍奮闘する。
モデルは実在の人、出光興産の創業者・出光佐三
東雲忠司 (演:吉岡秀隆)
国岡商店の店員。
元は日邦石油の社員だったが、鐡造に将来性を感じ国岡商店に入店。
戦時中はフォリピンに従軍。終戦後、国岡商店の再興に尽力し、旧海軍備蓄タンクからの石油組み上げという、危険だが、戦後の国岡商店を経営を救う任務に進んで身を投じた。
モデルは、出光興産三代目社長(後に経団連副会長)・石田正賓

長谷部喜雄(演:染谷将太)
国岡商店の店員
元は漁師で、門司の海で”海賊”鐡造の姿をみて興味をもち入店。
鐡造とともに満州に渡り、満鉄への機械油販売を巡りメジャーとの激闘を繰り広げる。
映画版オリジナルの登場人物

武市甲太郎(演:鈴木亮平)
国岡商店の店員。
元陸軍中野学校教官で情報戦のプロ。戦後、GHQの通訳をしており英語が堪能。
得意の英語と諜報で国岡商店の数々の危機を救う。
モデルは、出光興産専務・手嶋治雄

柏井耕一(演:野間口徹)
国岡商店の店員。
物覚えが悪く才気はないが、人一倍の努力家で、創業当時から国岡鐡造と苦楽を共にする。
時に暴走する鐡造のブレーキ役。

藤本壮平(演:ピエール瀧)
国岡商店の店員で元海軍大佐。終戦直後、石油販売が再開できず苦境にあった鐡造の元にGHQからの要請のラジオ修理業の話を持ち込む。
モデルは、元海軍大佐・長井弘介

盛田辰朗(演:堤真一)
鐡造がイランに派遣した日章丸の船長。
鐡造の密命を受け、危険を顧みずアバダンへ向かう。
モデルは、実在の日章丸船長・新田辰夫
(原作では実名で登場)

甲賀治作(演:小林薫)
国岡商店の店員。創業時からの鐡造の右腕で国岡商店の番頭的存在。

ユキ(演:綾瀬はるか)
鐡造の最初の妻。
鐡造と幸せな結婚生活を送りもある事情により離れ離れとなる。

小川初美(演:黒木華)
老いた鐡造の元を訪れる女性
映画オリジナルの登場人物

国岡万亀男(演:光石研)
鐡造の兄で鐡造とユキを引きあわせる。

木田章太郎(演:近藤正臣)
自宅を売ってまで資金を工面した国岡鐡造の大恩人。
国岡鐡造と国岡商店を資金面と精神面で支え続けた。
モデルは、実在の人で出光佐三を支えた、日田重太郎
(原作では実名で登場)

鳥川卓巳(演:國村隼)
国内最大手石油会社「日邦石油」(モデルは日本石油)の社長で、国策会社・石統(石油配給統制会社)の社長でもある。
日本国内の石油販売から国岡商店を排除しようと、鐡造と激しく対立する。

主役「国岡鐵三」のモデル・出光佐三
登場人物紹介でも書きましたが、主役・国岡鐡造のモデルは、実在した人物で、出光興産の創業者である出光佐三です。

出光佐三は福岡県出身で明治38年に神戸高等商業学校(現在の神戸大学経済学部)を卒業しています。
その後、実業界で成功し、出光商会(後の出光興産)を設立。
戦前には多額納税者として、貴族院議員に選出されたりもしています。
1981年(昭和56年)に95歳でなくなっています。
出光佐三の生涯を綴った年表を貼っておきます。
原作「海賊とよばれた男」は出光佐三の人生をかなり正確にトレースしています。
人生がそのまま小説や映画になってしまう人生ってすごいですね!
年 月 | 事 項 |
明治44年 | 出光商会設立 |
大正3年 | 下関で漁船用燃料の販売に着手。満鉄に機械油の納品開始 |
大正8年 | 華北山東省に販路を開拓。その後、昭和11年までに朝鮮、台湾、中京、華中、華北、河南に販路を拡大。 |
昭和7年 | 門司商工会議所会頭に就任 |
昭和9年 | 満州国初代駐門司名誉領事に任命 |
昭和12年 | 貴族院議員に選任 |
昭和13年 | 日章丸就航 |
昭和15年 | 出光興産株式会社設立。 勲四等瑞宝章受章 |
昭和20年 | 終戦。海外全店閉鎖 |
昭和21年 | 旧海軍タンク底油の集積作業開始。ラジオ修理・販売業にも取り組む |
昭和25年 | 民間貿易による原油の輸入を開始 |
昭和26年 | 民間貿易による重油の輸入を開始。日章丸二世就航 |
昭和28年 | 日章丸が帰港し、イラン石油輸入に成功 |
昭和32年 | 徳山製油所竣工 |
昭和38年 | 千葉製油所竣工。自主生産調整に反対し、石油連盟を脱退 |
昭和41年 | 出光興産会長に就任。生産調整が撤廃され石油連盟に復帰 |
昭和47年 | 出光興産店主に就任。 |
昭和56年 | 3月7日95歳で逝去 |
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ただせさえドラマチックな人生を送った実在した伝説の人物・出光佐三をモデルとして「永遠の0」の書き手が書き上げたものを「永遠の0」の監督と主役が映像化するこの豪華な映画をぜひ楽しんでください!
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