
2016年も11月に入り、インフルエンザが話題となる時期になりました。
2016〜2017年シーズンのインフルエンザの特徴と流行の時期や予防接種のワクチンについて調査しました。
2016〜2017年シーズンのインフルエンザ流行最新情報・速報はこちらの記事で随時更新中です!
→2016〜2017年インフルエンザ流行情報!最新速報まとめ
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Contents
2016〜2017年シーズンのインフルエンザ流行時期
今シーズンの流行は例年より2ヶ月早くスタート
2016年〜2017年シーズンのインフルエンザは、流行時期は例年より2ヶ月ほど早いことが特徴です。
沖縄県では、10月26日とあまりにも早い時期にインフルエンザ注意報が発令されました。
過去10年ほどのデータを見ても、ここまで早い時期の流行開始は例がなく、早急に予防対策が必要でです。
沖縄県の週ごとのインフルエンザ患者数2006~2016年(クリックで拡大)
第43週(10月24日~30日)で、注意報基準値である10人を超えている。
出典:沖縄県発表資料
11月7日時点の日本国内の患者発生数は昨年の同じ時期の約4.7倍と高い数値を示しています。
また、福井県と岩手県では流行時期入りの目安を超えました。
10月28日の時点では、沖縄県以外ではまだ顕著な流行の兆しは見えていませんが、飛行機の定期路線のある国内で流行が始まったので、他の地域での流行時期入りも秒読み段階かと思われます。
例年より早い時期の流行に備えて、予防接種、手洗い・うがいの習慣化、マスクなどの自衛手段、人混みを避けるなどの準備をしておきたいですね。
予防接種についてはこちらの記事をどうぞ。
→インフルエンザ予防接種を打つ時期と費用は?効果や副作用も調査
今シーズンの流行時期のピークは?
例年は11月〜4月にかけて流行し、発症数のピーク時期は2月前半になることが多いようです。
ただし、2014年のように12月中旬に流行時期のピークを迎えているシーズンもあります。
2014年は、後述する今シーズンに流行の兆候を見せているAH3亜型(A香港型)が大流行した年です。
2016〜2017シーズンも流行の特徴が似ている2014年と同じように、2016年内に流行のピーク時期を迎える可能性もあります。
東京都の週ごとのインフルエンザ患者数2012~2016年(クリックで拡大)
出典:東京都感染症情報センター
今年流行するインフルエンザの型を予想
- インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは主に以下のように分かれています。
A型:H3N2〔香港型〕、H1N1〔ブタインフルエンザ〕
B型:山形系統、ビクトリア系統
C型 - 大きな流行の原因となるのはA型とB型です。C型の特徴は症状が軽いことであまり流行しません。
- 沖縄県に報告されたインフルエンザ発症の型別割合はA型が90.4%、B型が1.0%となっており、約9割がA型です。
- 沖縄県保健医療部 衛生環境研究所が検出報告した7例全てがAH3亜型(A香港型)でした。
これは2014〜2015年シーズンに子供たちの間で大流行しました。
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AH3亜型(A香港型)の特徴
今年流行の兆しを見せているAH3亜型(A香港型)の特徴をまとめます。
- AH3亜型には、小児や高齢者で重症化しやすく、大流行しやすい、という特徴があります。
クラスにひとり患者が出たら、あっという間に学級閉鎖、学年閉鎖、休校という事態になってもおかしくありません。 - AH3亜型に感染すると、小児は熱性けいれんを起こしやすく、インフルエンザ脳症に至ることもあることが特徴です。
- 高齢者では肺炎を起こして死亡することがあることも特徴です。
別のA型のH1N1は、60歳以上の方には一定の免疫がありかかりにくいとされていますが、AH3亜型は高齢者も感染しやすい特徴があるので、大きな流行になる可能性があります。
AH3亜型(A香港型)の症状
A型インフルエンザの症状は発熱などの症状が強く現れやすいのが特徴です。
- 38度以上の高熱が急激にくる
- 体の節々の痛み
- 筋肉痛がおこる
- 全身の倦怠感
- 全身の悪寒
- 頭痛
- 咳や痰やくしゃみ
B型は下痢などの胃腸系の症状が多い特徴があります。
2016-2017シーズンのインフルエンザワクチンの特徴とAH3亜型への効果
2016/2017冬シーズンのインフルエンザワクチンは下の4種類のワクチン株の混合です。
- A型/(H1N1)pdm09/カリフォルニア株
- A/(H3N2)/香港株
- B型(山形系統)
- B型(ビクトリア系統)
2016/2017冬シーズンのワクチン株には、今年流行の兆しがあるAH3亜型の香港株が含まれています。
ただし、AH3亜型はワクチンの効き目が比較的低いことが特徴と言われています。AH3亜型に対するワクチンの効果は健康な成人で40~50%程度。65歳以上の高齢者では20%程度とされています。
数値だけ見ると、ワクチンの効果が低いと思われるかもしれませんが、症状の重症化を防ぐ目的もあるので、接種しても無駄ということではありません。
2016-2017シーズンのインフルエンザワクチンの予防接種時期
- インフルエンザワクチンの予防接種(予防注射)は10月から始まっています。
- ワクチンの予防効果が現れるまで、接種(注射)してから2週間ほどかかるとされています。
- ワクチンの効果持続期間は5か月間ほどです。
- 13歳未満の子どもの場合は、1シーズンにワクチンの接種を2回受ける必要があります。
1回目のワクチン接種からおよそ2~4週間あけて2回目をワクチン接種します。
1回目のワクチン接種から予防の効き目が出るまで6週間ほどかかる計算になります。 - インフルエンザの本格的な流行が始まる前の一刻も早い時期にワクチンの予防接種を受けましょう。
- 13歳未満の子供は、遅くとも11月中には1回目のワクチン接種を受ましょう!
まとめ
- 2016−2017年シーズンの流行時期は例年より1〜2ヶ月早いのが特徴。
早くも10月26日には沖縄で注意報が発令され、11月7日には神奈川県で学級閉鎖も発生した。 - 沖縄で流行しているのはA型。そのほとんどがAH3亜型(A香港型)なのが特徴的。
- AH3亜型は発熱などの症状が強く出やすく、小児や高齢者で症状が重くなりやすいことが特徴なので要注意。
- 2016−2017年シーズンのインフルエンザワクチンはAH3亜型に対応している。
- ワクチン予防接種の効果が出るまでの期間は、大人で2週間、子供で6週間ほど必要な計算。ワクチンの予防接種希望者は、11月中を目処にワクチンの接種を受けましょう!
<参考サイト>
沖縄県感染症情報センター インフルエンザ関連情報
http://www.pref.okinawa.jp/site/hoken/eiken/kikaku/kansenjouhou/influ.html
厚生労働省 インフルエンザに関する報道発表資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html
日経グッディ「A香港型インフルエンザはなぜ怖い?」
http://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/14/091100022/121700005/?ST=medical&P=2&cs=np
マイナビ 臨床内科専門医に聞く! 今季のインフルエンザの特徴ってどんなもの? 予防法は?
https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/29562
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