セルフメディケーション」という言葉を最近よく聞くようになりました。

 

「自分」を意味する『セルフ』と「医療」を意味する『メディケーション』がくっついているので、なんとなく『自分でする医療』という意味のようですが、実際、言葉だけが一人歩きしていて、内容がよくわからないという方が多いのではないでしょうか?

 

筆者も実はよくわからなかったのです・・・

国や行政のやることってほんとにわざとわかりにくくしているようにしか思えないくらいややこしいですからね(笑)

 

さらに、2017年1月から「セルフメディケーション税制」という新しい減税の仕組みも始まっていますがこちらもわかりにくいです。

 

そこでこの記事では、『セルフメディケーション』とは何か?の解説から始まり、『セルフメディケーション』の意味やメリットについても解説していきます。

また「セルフメディケーション税制」という医療費がお得になる新しい減税の仕組みをわかりやすく紹介します。

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セルフメディケーションとは何か?意味が知りたい

はじめに『セルフメディケーション』とは何かについて見ていきましょう。

「日本大百科全書」では『セルフメディケーション』を次のように定義しています。

セルフメディケーションは、世界保健機関(WHO)による定義では、「自分自身の健康に責任をもち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」とされている。

 

セルフメディケーションとは、世界保健機構(WHO)によって定義されている言葉のようです。

日本の政府やメディアの造語ではなく世界的な取り組みなのですね。

その意味は、「自分自身の健康に責任をもち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」となっています。

つまり「なんでもかんでも医療費を使って医者に見てもらうのではなく、軽い病気や怪我は、自分で責任を持って治しましょう!」ということですね。

 

同じく「日本大百科全書」の説明をもう少し詳しく見ていきましょう。

セルフメディケーションの狭義の意味は、自己の健康に自己が最終責任をもつという理念に沿って、一般用医薬品(大衆薬、OTC薬=Over-The-Counter drugともいう)の使用などで自己治療することである。対象となる分野は、医師の診療を受けなくても治療が可能な軽度の病気「軽医療」で、かぜ、頭痛、眼精疲労、胃の痛み・もたれ、便秘、下痢、打ち身、筋肉痛、虫さされなどである。
広義の意味では、健康維持、疾病予防の方法を食事、運動、休養にまで広げて、「自分で自分の体の健康管理を行うこと」をいう。対象となるものには、生活習慣病(高血圧症、脂質異常症、糖尿病など)の予防がある。

 

内容を要約すると、狭い意味では、「医師の診療を受けなくても治療が可能な軽度の病気」を「一般用医薬品」(=「OTC医薬品」と言います)を使うことなどで、自分で治療することが『セルフメディケーション』です。

 

もう少し広い意味では、健康維持や病気の予防など、「自分で自分の体の健康管理を行うこと」も含みます。メタボ予防なども入りますね。

 

上の説明を読むと、『セルフメディケーション』は海外から入ってきた考え方なのですが、今の日本にこそ必要な考え方だと思います。

 

筆者を含め、一般の日本人はあまり意識していないですが、日本の健康保険制度は実は世界に誇ることのできる素晴らしいシステムです。

いわゆる「皆保険制度」なのですね。

「皆保険制度」とは、「質が平均以上に良い医療を、比較的安い価格で、保健加入者の皆が受けることができる」という制度です。

 

日本人は原則として国民健康保険か会社が加入している健康保険組合の社会保険に加入していますので、診察や治療にかかった費用の3割、老人なら1割という極めて安い料金を負担すれば、どこの病院でも良質な医療を受けることができます。

 

日本に住んでいると、この保険制度があたりまえすぎてなんの疑問も感じませんが、世界的に見ると日本が特殊な状況で、ここまで医療保険が手厚い国はなかなかありません。

 

アメリカなどはこの皆保険の制度がないので、どんな人でも民間の保険に加入するのが当たり前です。

もちろん、貧困のため保険に加入できない人や、グレードの低い保険にしかはいれない人もたくさんいて、そういう人は、救急車で病院に担ぎ込まれても治療拒否されるなんていう話も聞こえてきます(誇張もあるとは思いますが)

 

では、こんな素晴らしい制度がある日本でなぜ「セルフメディケーション」の考え方が必要なのでしょうか?

実はこの安くて質のいい医療が普及しすぎて、ちょっとした体調不良や怪我でも病院に行って治療を受ける人が増えたため、健康保険制度が破綻しかかっているのです。

日本の医療制度は最短5年で破綻」なんていう話もでているような状態です。

 

つまり、医療費を抑えて健康保険制度を守るためにも、『セルフメディケーション』は日本にこそ根付くべき考え方と言えるのです。

セルフメディケーション税制の意味と生活への影響は?

実は、上で説明した健康保健制度が実質的に破綻してる今の状態と、2017年1月からスタートした『セルフメディケーション税制』には深い関係があります。
健康保健の負担を軽くするために、国民に「セルフメディケーション」をしてもらって、病院で診療することで発生する医療費を安くしたいと国は考えています。

そのためには軽い病気や怪我など病院で医師の診療を受けなくても自分で「セルフメディケーション」する人を増やす必要がありますね。
ところで、これまで税制の仕組みでは、医療費の合計が年間で10万円を超えないと医療費控除が申し込めない制度だけでした。

薬局で買う医薬品だけで年間の使用量が10万円を超えるという人はほとんどいないですよね。

そこで国は、処方箋なしで買える一般医薬品=OTC医薬品だけでも達成することが可能な金額を設定して、今までよりも大幅に少額でも医療費控除=減税を申請することで国民がお得になるようにしたのです。

つまり、軽い病気やケガの治療のために仕方なく購入した薬の代金を国に申し出れば、今までの医療費控除制度では申し込みができなかった低い金額でも税金を取り戻す申し込みができるということで、直接生活に影響してくる制度なのです。
そして、このような制度があれば国民は一度支払った税金をなるべく取り戻したいので、医療費控除を低額で申請するために、軽い病気や怪我はOTC医薬品を使って、『セルフメディケーション税制』を使うようになり、健子保健の負担が減る。

これが国が考えている『セルフメディケーション税制』の意味なのです。

OTC医薬品とは?

上の説明で、一般用医薬品=OTC医薬品を使用することにってセルフメディケーションしていくというお話をしました。

ここでは、後で説明する『セルフメディケーション税制』で大事な言葉となる『OTC医薬品』について解説します。

 

Wikipediaから定義を引用します。

一般用医薬品(いっぱんよういやくひん)とは、医師による処方箋を必要とせずに購入できる医薬品のことである。市販薬、家庭用医薬品、大衆薬、売薬などとも呼ばれる。また、カウンター越し(英語: over the counter)に売買されることから、OTC医薬品とも呼ばれる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/一般用医薬品

 

OTC医薬品とは、”over the counter”=「カウンター越し」に渡される医薬品という意味で、一般大衆医薬品を表す英語の頭文字です。

 

ここでの本当に大事になってくる意味は、OTC医薬品とは医師の処方箋(病院に行った時に医者からもらって薬局に渡す紙です)なしに購入できる薬であるということです。
医薬品には、OTC医薬品のように処方箋なしで購入できる薬と、医師の処方箋がないと薬局が売ってくれない薬があります。

 

『セルフメディケーション』では、上で説明した『OTC医薬品』を各個人の判断で上手に使って、自分で健康管理をしていくことが求められます。

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セルフメディケーションのメリットとデメリットは?

『セルフメディケーション』のメリットは次のようなものがあります。

1. 健康管理の習慣が身につく

2. 医療や薬の知識が身につく

3. 医療機関で受診する手間と時間が節約できる

4. 医療費の増加を防ぐ

5.セルフメディケーション税制で減税できる。(2017年1月から制度開始)

 

皆保険で質の良い医療が普及している日本では、自分の健康を医師に丸投げにしてしまう傾向がありますから、医療や薬に関する知識が増えて、自分の健康に興味を持つのは良いことですね。

 

また、病院に行く手間と時間や医療費の節約の効果は明らかなメリットです。

 

最後の『セルフメディケーション税制』については後で解説します。

 

逆に『セルフメディケーション』のデメリットは次のようなものがあります。

1. 医学・薬学的知識が必要。

2. 知識不足により適切な治療結果とならない可能性がある。

3. 治療結果に対しては自己責任を伴う。

4. 医療機関を避けることにより、重病の発覚が遅れる可能性がある。

 

デメリットは、メリットの裏返しになりますが、医療に関する知識が必要となるため、進んで知識を得ないと、満足のいく治療結果とならない可能性があります。

 

また、治療結果については全て自己責任となりますが、自分の健康に自分で責任を持つのは、大人としては当たり前のことですので、特にデメリットとは言えないかもしれませんね。

セルフメディケーション税制で賢く減税!

セルフメディケーション税制』についてもう少し詳しく解説していきたいと思います。

『セルフメディケーション税制』とは、制度の対象となるOTC医薬品の年間購入額が1万2,000円を超えた上で、健康診断など健康維持に対する一定の取り組みを行った人か申し込むことができる新しい医療費控除による減税の仕組みです。

 

従来からある医療費控除制度では年間の医療費の自己負担額が10万円を超えないと、医療控除による減税を受けることができませんでした。

しかし、2017年1月から始まった『セルフメディケーション税制』ではOTC医薬品に指定された医薬品の年間購入額が12,000円を越えれば、医療控除による減税の対象となります。

『セルフメディケーション税制』の対象商品の一覧はこちらの記事から検索できます!
セルフメディケーション税制対象商品一覧!マークとレシートで区別

 

また、これまでの『医療費控除制度』と同じく『セルフメディケーション税制』を受けるためには確定申告が必要です。

 

医療費が年間10万円というと、普通にそこそこ健康な暮らしをしている人が使うことはあまりない金額ですが、12,000円なら、頭痛持ちで定期的に頭痛薬を購入している人や、腰痛の痛み止めを常備薬としている人など、多くの人が満たすことのできる条件となり、医療費控除による減税のハードルが一気に下がりますね。

 

『セルフメディケーション税制』ができたからといって、従来の『医療費控除制度』がなくなったわけではなく、二つの制度はどちらもあります。

しかし、二つの制度を併用することはできません。どちらかを選ぶ必要があります。

『セルフメディケーション税制』に当てはまる医療費と『医療費控除制度』に当てはまる医療費を確定申告する人が自分で計算して、お得な方を自分で判断して選ぶ必要があるのです。。

 

『セルフメディケーション税制』と『医療費控除制度』の違いや、金額によってどちらがお得になるのかのこちらの記事で解説していますので、興味がある方はご覧ください!
セルフメディケーション税制を賢く選択!医療費控除との違いは?

まとめ

2017年1月に施行された『セルフメディケーション税制」の考え方の基本となる『セルフメディケーション』について、その意味やメリットとデメリットを解説してきました。

 

個人個人の健康意識が高まるという面と国の医療費削減につながるという意味では、大変よい考え方であると思いますが、安くて質の良い国民皆保険が浸透している日本では、各個人がお互いを思いやって強い意志を持って『セルフメディケーション』を進めていかないと、そう簡単には定着はしないような気がします。

 

『セルフメディーション税制』も従来の医療費控除制度と同じように確定申告が必要な制度ですので、「源泉徴収」に慣れてしまった多くの日本人にとっては敷居が高いことには変わりはありません。

 

今後も『セルフメディーション』の理念の広まりと医療費削減の実現を目指して、国のみならず、日本人みんながそれぞれの問題としてい『セルフメディケーション』に取り組んでいきたいですね!

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