2017年1月20日にドナルドトランプ氏が第45代アメリカ大統領に就任すると同時に政策課題のひとつとして通商政策を取りあげ、TPP=環太平洋パートナーシップ協定から離脱すると明らかにしました。

*追記

1月23日にトランプ大統領は、TPP永久離脱の大統領令に署名しました

さらに、アメリカの通商代表部(USTR)のホームページ上のTPPに関する資料の開示が停止されました。

トランプ大統領は、アメリカ大統領としての権限をフルに行使して、公約実現にまっしぐらですね・・・

 

アメリカ大統領令の権限や効力などについて知りたい方はこちらの記事もどうぞ!
アメリカ大統領令とは何か?権限や効力と法律との違いを調査!

 

この記事では、新聞やテレビでも大騒ぎしてるアメリカのTPP離脱問題が及ぼす日本への影響をわかりやすくまとめていきます。

また、今後の日本人の生活に変化はあるのか?あるとすれば、どのような変化なのか?

についてもまとめました。

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そもそもTPPとは何か?

TPPという言葉をニュースや新聞でよく見かけますが、そもそもTPPとは何なのか?

まず、そこがよくわからないので調べてみます。

 

ネットを検索するとTPPの説明文がいくつもヒットしますが、下の朝日新聞の説明が最もわかりやすかったので引用します。

環太平洋経済連携協定。

関税を取り払ったり、貿易や投資のルールをそろえたりすることで、ヒト・モノ・カネが国境を越えて活発に動く「経済圏」をつくる試み。

日本や米国など計12カ国が参加し、昨年10月に大筋合意した。

国内では、輸出に活路を求める経済界が推進の立場だが、農林水産業への影響を心配する声も根強い。
出典:朝日新聞掲載「キーワード」

多くの企業は、他の国の企業と「貿易」をしています。

貿易とは、他の国との間で、物を買ったり売ったりすることです。

他の国から物を買うことを「輸入」、売ることを「輸出」と言います。

そして、他の国から自分の国に商品を輸入する際に、自国は「関税」と呼ばれる税金を徴収します。

関税の料率は、国や商品の種類によって異なっており、関税が全く発生しないものや、お米のようにとても高い関税が掛かっており、実質的に輸入することができないものまで様々です。

 

なぜお米などに高い関税をかけているかというと、海外から安いお米が日本国内に流入すると、日本の高価なお米が売れなくなり、日本の農業に対して打撃となるからです。

つまり、関税をかけて、日本の産業や農家を守っているのです。

 

TPPは、これらの関税を参加国間の貿易では廃止して、自由に貿易できるようにしようという試みです。

上の説明のように、農業は打撃を受ける可能性がありますが、日本の輸出品の主力である自動車や家電などは、他国に輸出する際に関税が発生しなくなるので、安く売ることができ、売り上げが上がることが期待できるのです。

 

しかし、TPP域内の国内総生産(GDP)の合計が85%以上を占める6カ国以上の批准(参加)がないとTPPがスタートしない決まりとなっています。

そしてアメリカのGDPが約60%を占めているので、アメリカのTPP離脱=TPP不成立を意味するのです。

トランプ大統領の政策とTPPの関係は?

ドナルドトランプ大統領のスローガンは「アメリカを再び偉大に」であり、その政策の基本は「アメリカ第一主義」です。

 

アメリカでは、国民の所得格差の拡大が深刻となっています。

米国の上位1%の人が占める所得の割合が20%近くにまで達していて、富の分配がなされていないため、中所得者層の所得水準が上がらないことが大問題となっています。

 

トランプ大統領がTPP離脱を宣言したのは、「アメリカには災難」であるTPPから離脱し、アメリカ国内の雇用を取り戻し産業を復活させるのが狙いなのです。

 

アメリカ単独で見るとTPP離脱が良いように思えますが、TPPの元々の精神は、「自由な貿易により経済を活発にする」ことにあります。

アメリカ自国の利益を最優先にする保護主義的な通商政策は、世界の貿易の低迷を招く恐れがあります。

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アメリカのTPP離脱による日本への影響

次に、アメリカのTPP離脱による日本への影響にはどのようなものがあるのかをメリットとでmリットに分けて見ていきましょう。

アメリカのTPP離脱による日本のメリット

関税撤廃によるデフレが発生しない

関税が撤廃されると海外から安い物が入ってきます。

安い物が海外から大量に入ってくると物価が下がるとお、デフレを引き起こす可能性があります。

デフレとは「デフレーション」の略で、物やサービスの値段などの物価が下がっていくことです。

デフレが進みすぎると、経済がうまく回らなくなり、会社の業績も下がり、給料も下がります。

TPPが発効されなければ、TPPを起点としたデフレは起きません。

食料の安全が保たれる

TPPが発効されると現在は日本国内で出回っていない海外産の食品添加物や遺伝子組み換え食品が入ってくることが懸念されていましたが、その恐れが無くなります。

国民皆健康保険制度が保たれる

日本には国民皆健康保険制度があり、病気になっても少ない負担で良質で均一な医療サービスを受けることができます。

TPPが発効されると、医療保険も自由化されるので、アメリカから見ると不平等に見える国民皆健康保険制度が崩壊し、医療費が高騰する可能性がありました。

しかし、アメリカのTPP離脱により当面は国民皆健康保険制度が保たれるでしょう。

アメリカのTPP離脱による日本のデメリット

関税が撤廃できず、貿易による利益増加が見込めない

TPPの一番の目的は関税を撤廃することで貿易を活発化させることです。

TPP不成立により、自動車や家電などで期待していた貿易の利益増加が見込めなくなります。

輸出をメインとする大企業の利益増加が見込めないので、日本国内にもお金が回ってきません。

関税が撤廃できず、海外から安い商品が手に入らない

関税が撤廃されると海外から輸入されるはずであった安価な商品が輸入されません。

TPPの発効により野菜やガソリンなどの値下げが期待されていました。

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アメリカのTPP離脱は日本人の生活に影響するのか?

これまで、アメリカのTPP離脱のメリット、デメリットを説明してきました。

TPPが発効されることで得られるはずだったメリット、デメリットはたくさんありましたね。

ところで、アメリカのTPPR離脱によりTPPが発効しないことによって、日本人の生活に影響はあるのでしょうか?

短期的には?

TPPのメリット、デメリットは、TPPが発効して初めて発生するものです。

逆に言えば、TPPが発効しなければ、何も変わらないのです。

つまり、短期的には「生活に影響はない」と言えます。

長期的には?

では、長期的な生活への影響を考えてみましょう。

長期的には、経済的な影響が大きいです。

 

政府の試算ではTPPによって貿易や投資が拡大することで、GDP(国内総生産)が約14兆円も増加するとされています。(NHK NEWS WEBより)

日本の国家予算が年間およそ97兆円ですから、国家予算の15%近い経済効果の長期的な恩恵は計り知れません。

 

また、関税の削減や投資ルールの明確化で労働者の実質賃金は向上し、雇用も約80万人分生まれると予測されていました。

2016年11月現在の日本の完全失業者数は約197万人です。(総務省統計局発表)197万人に対する80万人の雇用の可能性が閉ざされたことの影響は相当に大きいです。

 

長期的な日本の経済規模の縮小と、雇用の可能性が失われることによる賃金低下などの生活への影響は大きなものとなり、長期的には「生活に影響する」と言えます。

 まとめ

アメリカのTPP離脱が及ぼす日本への影響と日本人の生活への影響を簡単にまとめました。

アメリカのTPP離脱よるメリット、デメリットはすべて、TPPが発効してから初めて発生するものです。

したがって、短期的には、アメリカのTPP離脱よる日本への影響、生活への影響はほとんどないと言えます。

 

しかし、長期的に見た場合には、TPPにより増大するはずだった経済効果や雇用の可能性が失われ、日本人の生活に影響を及ぼします。

 

将来の日本を考えた場合、TPPに代わる国際的な政策が必要となってくることは明らかですので、今後の政府の対応に注目していきたいものですね。

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