兵庫県立大学と静岡大学の特任教授である寺西信一(てらにしのぶかず)氏を含む4名が2017年の「クイーンエリザベス工学賞」を受賞されることが発表されました。

クイーンエリザベス工学賞は、英国アカデミーが工学分野のノーベル賞と位置付けている賞です。

クイーンエリザベス工学賞は2013年に設立され、2年に一度、受賞者が選出されます。2017年で3回目となります。

そして、寺西信一氏は、日本人初の受賞者です!!

 

寺西信一氏の受賞テーマは、「イメージセンサーの開発」です。

寺西信一氏が研究開発してきたイメージセンサーは、デジタルカメラなどのデジタル映像技術の心臓部として現在の工業製品には欠かせないものとなっています。

この記事では、寺西信一氏の「クイーンエリザベス工学賞」の受賞理由と研究内容をわかりやすく解説します。

またスマホなどでおなじみのデジタルカメかせないイメージセンサーについても触れていきます。

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寺西信一氏のクイーンエリザベス工学賞受賞の理由

今回の寺西信一氏と他3名の「クイーンエリザベス工学賞」受賞の理由は、クイーンエリザベス工学賞の公式サイトに公表されています。

ここでは、ポイントとなる点をお伝えします。

 

今回の「クイーンエリザベス工学賞」の受賞理由は、3世代に渡るデジタル映像デバイスの開発に貢献したことです

3世代のデジタル映像デバイスとは「CCD」「PPD」(PINフォトダイオード)「CMOS」のことです。

これらのイメージセンサーが、医療、科学、個人同士のコミュニケーション、エンターテイメントに変革をもたらしたことが評価されています。

 

寺西信一氏は、 PINフォトダイオー ド(PPD)を発明し、ピクセルサイズを縮小してイメージ品質を大幅に向上さ せることで技術の進歩に貢献したことが評価されました。

 

4人の受賞者が研究開発したイメージセンサー技術は、具体的には以下の技術の革新への貢献したと評価されています。

ビデオ通話 (Skyping)

自撮り(Selfy)

コンピューターゲーム

長編デジタル映画

スマホの小型カメラによる戦場のライブ映像

手術不要の錠剤型カメラ

デジタル内視鏡

X線写真撮影時の患者のX線被ばく量の低減

歯科治療のX線撮影技術の改善

車載カメラによる自動車の安全性の向上

監視カメラによる路上の安全性の向上

惑星を周回する宇宙船からの画像による宇宙の知識の拡大

銀河などの宇宙のデジタル写真

 

ビデオ通話や地鶏など、一般人に馴染み深いものから、医療や宇宙開発まで、現代人の生活と科学技術の発展から切っても切り離せないほど重要な研究開発であることがわかりますね。

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寺西信一氏の研究内容

寺西信一氏は、1970年代後半からCCD及びCMOSの研究開発を行ってきました。

1980年代、CCDは量産性に優れ小型軽量化が可能なため、一般向けイメージセンサーとして期待されていましたが、残像や暗電流による画素欠陥(いわゆる、ドット抜け)の存在、明るい被写体を撮像する時のブルーミングやスミアの発生など、実用化直前で難しい問題を解決できないでいました。

 

寺西信一氏は、残像が素子の動作原理に基づいて発生することを明らかにしました。

そして、CCDの光と電気を変換する部分にPINフォトダイオード(PPD)を持ち込むことにより、残像を除去するだけではなく、暗電流による画素欠陥の低減、低ノイズ化を実現しました。

さらに、イメージセンサーの構造を工夫することによりブルーミングやスミアを抑えることにも成功しました。

 

これらの成果が関連業界に広く採用され、画素の微細化を推進し、今日の爆発的ないデジタルイメージ技術の普及に繋がっています。

参考:http://www.mst.or.jp/Portals/0/prize/japanese/winners/semiconductor/semiconductor2013.html

寺西信一氏の研究してきたイメージセンサーとは何か?

スマホなどあらゆる製品に組み込まれているデジタルカメラでは、レンズから入って来た光をイメージセンサーと呼ばれる変換器で電気信号に変換します。

その電気信号の情報をコンピューターで処理することにより、画像に再変換して、我々が目にする写真などの画像となります。

寺西信一氏が研究開発して来たイメージセンサーは、まさにデジタル画像技術の心臓部です。

寺西信一氏の経歴

簡単に寺西信一氏の経歴をまとめました。

1953年生まれ(63歳)

1978年3月 東京大学理学系大学院 修士課程修了

1978年4月 日本電気(株)入社

1995年7月 同社マイクロエレクトロニクス研究所 センサ研究部 部長

2000年4月松下電器産業(現 パナソニック)(株)半導体社 主幹技師

2001年4月同社半導体社CCD事業部 グループマネージャ

2013年6月兵庫県立大学・静岡大学 特任教授就任

まとめ

2017年「クイーンエリザベス工学賞」を受賞された寺西信一氏の受賞理由や研究内容などを中心にまとめました。

現在、デジタル画像技術は、デジカメやスマホにとどまらず、あらゆる電子製品や家電など、身の回りに当然のように溢れていますが、寺西信一氏の研究開発の成果がなければ、イメージセンサーの量産化は大きく遅れることとなり、現在のようなデジタたるイメージング全盛期は来ていなかったかもしれませんね。

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