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インフルエンザ治療薬として一番有名な薬はタミフルでしょう。

インフルエンザが発症してから48時間以内の飲めば、目覚ましい効き目を見せることから、インフルエンザの特効薬として瞬く間に普及しました。

しかし、タミフル服用後の子供の異常行動の例が多数報告されたことから、子供への使用は原則控えられてきました。

ですが、1歳未満の0歳児の赤ちゃんは、インフルエンザ脳症などの重大な合併症を起こす危険があることから、積極的な治療が望ましいとの意見もあります。

以前から日本感染症学会などがタミフル投与の保険適用年齢対象を1歳未満の0歳児の赤ちゃんにも拡大することを厚生労働省に要望してきました。

専門家の要望が叶い、2016年11月24日より1歳未満の0歳児の赤ちゃんへのタミフル投与が保険適用となります。
インフル薬タミフル、1歳未満の使用了承 保険適用へ

この記事では、拡大したの適用年齢をまとめてみました。

また、タミフルの効果や副作用について整理しました。

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タミフルの適用年齢

実はタミフルの適用年齢には細かい取り決めがあります。

下の表は2016年11月23日現在の抗インフルエンザ薬の適用年齢に関する添付文書の記載事項をまとめたものです。

添付文書とは製薬会社が国に薬の承認を得る時に添える説明書のようなものです。

製薬会社も何かあった時に明確な責任を取りたくないので、なんとも玉虫色な書きっぷりになっています。

商品名 低出生体重児、新生児、乳児 幼児 小児 10歳代
タミフル 一歳未満に対する安全性は確率していない 体重8.1kg未満の幼小児に対する使用経験はない 10歳以上の未成年の患者においては、原則として本剤の使用を差し控えること
リレンザ 低出生体重児、新生児、乳児又は4歳以下の幼児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない) 適切に吸入投与できると判断された場合にのみ投与すること
ラピアクタ 低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)
イナビル 低出生体重児、新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない) 患者の状態を十分に観察しながら投与すること(使用経験が少ない) 適切に吸入投与できると判断された場合にのみ投与すること

日本感染症学会提言より抜粋

上の表を、年齢別に治療に使用場合の一般的な制限条件をまとめなおすと下の表になります。

ただし、医師の判断により、投与の条件が合わない場合でも医師の判断により薬を使用することはあるようです。

商品名 適用年齢・条件
タミフル 0歳児(一歳未満):使用しない
1歳以上〜9歳以下:体重8.1kg以上なら使用する
10歳以上〜20歳未満:使用しない
リレンザ 0歳〜4歳以下:使用しない
5歳以上の小児:医師の判断による
ラピアクタ 0歳児(一歳未満):使用しない
イナビル 0歳児(一歳未満):使用しない
幼児〜小児:医師の判断による

なんと、これまで0歳児に使用できる抗インフルエンザ薬が一つも無かったのです!

ですが、11月24日の厚生労働省の判断により、タミフルを0歳児にも使用することができるようになりました!

実は、インフルエンザは、抗インフルエンザ薬なしでも治るのですが、他の病気を患っていたり、体力が弱っている赤ちゃんに対して、インフルエンザ脳症などの重症化を防ぐ手立てとしての抗インフルエンザ薬の選択肢ができたことは、医師や親御さんにとっても朗報と言えるでしょうね。

もう一つ上の表からわかることがあります。

実はタミフルは10歳以上20歳未満の人には、原則として用いることができません。

1歳から9歳には使えるんですけどね・・・

これは、因果関係は不明ですが、異常行動による事故が、おもに10代の未成年者に頻発したためです。

ただし、別に病気があり重症化が心配される場合など、例外的に容認されることがあります。

このように0歳児のインフルエンザ治療手段として再び注目されるであろうタミフルの効果や副作用をまとめておきたいと思います。

タミフルの効果

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A型・B型両方のインフルエンザウイルスの増殖を防ぐ効果があります。

通常はカプセル剤ですが、子供の場合はドライシロップと呼ばれる粉薬が一般的です。

症状が出始めたら48時間以内に服用するのが効果的です。

48時間を超えた患者には効き目が薄いので、無駄な処方がされないよう注意が必要です。

タミフルは「ノイラミニダーゼ阻害薬」と呼ばれる種類の薬です。

インフルエンザウイルスが放出される時に、「ノイラミニダーゼ」と呼ばれる酵素によって、「細胞からインフルエンザウイルス切り離される過程」が進むのです。

そこで、ノイラミニダーゼの働きを邪魔すれば、インフルエンザウイルスが切り離されることを抑えることができ、インフルエンザウイルスを細胞内に閉じ込めることができるのです。

このような作用をする抗インフルエンザ薬を「ノイラミニダーゼ阻害薬」と言います。

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出典:役に立つくするの情報〜専門薬学

タミフルの副作用

タミフルのおもな副作用は、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの胃腸症状です。

重い副作用は、非常に稀ですが、肝障害や皮膚障害、出血性大腸炎などが報告されています。

異常行動

きわめて特異なケースとして、薬を飲んだ後に幻覚や異常行動が発生しています。

異常行動の例

異常行動としては以下のような行動をすることがあります。下のような行動が見られたらすぐに医療機関に相談しましょう。

  • 突然立ち上がって部屋から出ようとする。
  • 興奮状態となり、手を広げて部屋を駆け回り、意味のわからないことを言う。
  • 興奮して窓を開けてベランダに出ようとする。
  • 自宅から出て外を歩いていて、話しかけても反応しない。
  • 人に襲われる感覚を覚え、外に飛び出す。
  • 変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る。
  • 突然笑い出し、階段を駆け上がろうとする。

異常行動の発生しやすい条件

年齢や性別、時期などが発生頻度に影響することが厚生労働省の調査からわかっています。

  • 10歳前後の小児において発生しやすい(平均9,44歳)
  • 男性の割合のほうが多い(男性65%、女性35%)
  • 眠りから覚めて直ぐが起こりやすい(眠りから覚めて直ぐ76%)
  • 特に発熱後1日以内、2日目に起こりやすい1日以内:25%、2日目:46.43%)

異常行動への対応方法

発熱後の2日間は、子供が一人きりにならないように、保護者がしっかり見守りましょう

あとがき

これまで選択肢のなかった0歳児のインフルエンザに対して、タミフルを投与できるようになったことは、深刻な病状に苦しむ赤ちゃんとその親御さんや主治医にとっては間違いなく朗報ですね。

しかし、ここぞとばかりに製薬会社の利益誘導により、赤ちゃんを不必要に薬漬けにすることがないよう、医療サイドには適切な薬の使用を心がけてほしいものです。

<参考サイト>
日本感染症学会 http://www.kansensho.or.jp/guidelines/110301soiv_teigen.html