440px-influenza_a_-_late_passage

日本語として完全に定着したインフルエンザですが、その意味や由来ってよく知らないですよね。

そして、病気の元となるインフルエンザウイルスの構造や仕組みはどうなっているのでしょうか?

毎年、人類が嫌という程お世話になっているインフルエンザウイルスのこと、意外と知らないので調べてみました!

スポンサーリンク

インフルエンザの由来と意味は?

「インフルエンザ」という単語の由来は16世紀のイタリアに遡ります。

冬になると毎年流行し春になると終息することから、当時の占星術師は天体の運行や寒気などの影響によって発生するものと考えました。

そして、その病名をイタリア語で「影響」を意味するinfluenza(読みは「インフルエンツァ」)と名付けました。

この単語が、18世紀のイギリスで流行の際に、英語に日常的語彙として持ち込まれ、世界的に広く使用されるようになったのです。

ちなみに日本語としては、「流行性感冒」という表現もありますね。もはや一般的に使われることもほとんどなく死語と化していますが・・・

参考として主要な言語でインフルエンザをどう表現するのかを調べてみました。

日本語 インフルエンザ インフルエンザにかかりました。
英語 influenza 短縮形 flu I’ve had a flu.
ドイツ語 grippe Ich bin an der Grippe erkrankt.
フランス語 grippe J’ai chopé la grippe.
イタリア語 influenza Ho preso l’influenza.
スペイン語 gripe Ello llevó a la gripe.
ポルトガル語 gripe Eu peguei gripe.
ロシア語 грипп Потребовалось к гриппу
北京語 流感 我得了流感
韓国語 독감 독감에 걸렸어
タガログ語 trangkaso. Ito ay kinuha sa trangkaso.
タイ語 โรคไข้หวัดใหญ่ มันเอาไปไข้หวัด
アラビア語 انفلونزا إنفلونزا استغرق الأمر إلى

男性名詞、女性名詞など細かいところに謝りがあるかもしれません。
あくまでも参考ということで(笑)

インフルエンザウイルスの構造

インフルエンザを引き起こす病原体インフルエンザウイルスは、直径約1万分の1mmの大きさで、抗原性*)の違いでA、B、C型の3つの型に分類されています。

*)抗原(抗体を作り出す物質)となる物質が抗体(抗原に対する免疫性を生体に与えるタンパク質)を特異的に認識して結合する性質。

インフルエンザウイルスの表面には、スパイクタンパクという糖タンパク質が突き出ています。

スパイクタンパクには、HA(ヘマグルチニン)とNA(ノイラミニダーゼ)の二種類があり、それぞれにウイルスが感染を起こすための役割があります。

  • HAは、感染しようとする細胞に結合し、ウイルスを細胞の中に取り込みます。
  • NAは、感染した細胞とHAの結合を切って、複製されたウイルスを細胞から放出させます。

A型インフルエンザウイルスのスパイクタンパク

A型インフルエンザウイルスのHAには16種類(H1~H16)、NAには9種類(N1~N9)があります。つまりH1N1~H16N9の144種類の”亜型“が存在しており、非常に多様性を持っていると言えます。

influenza_img01

出典:大幸薬品 健康情報局

B型及びC型インフルエンザウイルスのスパイクタンパク

B型インフルエンザウイルスにもHAとNAがありますが、それぞれ1種類しかありません。

C型インフルエンザウイルスにはヘマグルチニンエステラーゼ(HE)しか存在しません。

そのため多様性は乏しくなっています。

スポンサーリンク

インフルエンザはなぜ毎年流行するのか?

生体は抗原をに合った抗体をつくり出して感染を防いだり、回復を早めたりする免疫の仕組みを持っています。予防接種もこの仕組みを利用したものです。

しかし、抗原が変ってしまうと抗体は働かず、新たな抗体ができるまで、インフルエンザは流行します。

インフルエンザウイルスのこの抗原性の変化には2種類あります。

連続抗原変異(小変異)

HAとNAが同じ亜型(例えばH1N1)の範囲内であっても、遺伝子の突然変異によって、毎年のように抗原性がわずかに変化します。

抗原性の変化が大きくなれば、以前にインフルエンザに感染して免疫があっても、再び別のインフルエンザウイルスが感染します。

この変異によって、インフルエンザは毎年流行し続けることができるのです。

不連続抗原変異(大変異)

A型インフルエンザウイルスは、数年から数十年単位で、流行株が突然別の亜型に替わることがあります。

誰も新型インフルエンザウイルスの抗体をもっていないため、あっという間に世界中に広がり、大流行(パンデミック)になります。

不連続抗原変異は、突然変異でなく、遺伝子の組替えによって起こります。

(↓クリックすると拡大します。)
influenza_img02_big-2出典:大幸薬品 健康情報局

動物のインフルエンザと人への感染

A型インフルエンザウイルスは、鳥をはじめ、人、ウマ、ブタ、トラ、アザラシ等に広く感染する人畜共通に感染するウイルスです。

特定の動物の間で感染しているA型インフルエンザが、遺伝子の変異によって動物→ヒト、ヒト→ヒトへ感染する能力を持つことがあります。

このようなインフルエンザウイルスが「ヒト→ヒト」への伝染が確認されると新型インフルエンザの発生となります。

このような新型インフルエンザの例としては、2003年末から2004年初めにかけ韓国・香港・ベトナムと東アジアで大きな被害を出した鳥インフルエンザH5N1型が記憶に新しいですね。

インフルエンザの毒性と大流行

インフルエンザには「弱毒性」「強毒性」があります。

  • 弱毒性
    ウイルスが人の「呼吸器のみ」に感染するものを指します。必ずしも「弱毒性=軽症で済む」と言うわけではありません。
  • 強毒性
    ウイルスが人の全身に感染するものを指します。主な症状に「全身疾患」「重症肺炎」「高サイトカイン血症」があります。
    高サイトカイン血症は、幼児に多い合併症であるインフルエンザ脳症の原因と考えられています。
    もしインフルエンザ脳症について知りたい時はこちらの記事をどうぞ。
    →インフルエンザ脳症は大人にも発症するか?症状や後遺症まとめ

20世紀のインフルエンザ大流行を表にまとめました。

1918年 スペインインフルエンザ A/H1N1亜型 感染者6億人、死者4,000万人
1957年 アジアインフルエンザ A/H2N2亜型 死者200万人
1968年 香港インフルエンザ A/H3N2亜型 死者100万人
1977年 ソ連インフルエンザ A/H1H1 亜型

表中の20世紀に大流行したインフルエンザは、はすべて弱毒性です。

しかし、鳥インフルエンザH5N1型は強毒性です。

ですので世界中の医療関係者はその大流行に神経を尖らせているわけですね。

まとめ

インフルエンザの語源や、インフルエンザウイルスの構造について調べました。

ウイルスの特性として、変異を起こしやすく、大流行を招く可能性があるのはA型のインフルエンザウイルスです。

生物の進化の過程からして、いずれはウイルスの遺伝子組み換えが発生し、新型インフルエンザの大流行が起こることは避けようがないもののようです。

しかし、人類は、その科学力により抗インフル薬など、ウイルスと戦う準備を着々と整えています。

新インフルエンザの発生と流行をむやみに恐れるのではなく、正しい情報を得て、感染予防に努めていきたいものですね。

スポンサーリンク

<参考サイト>
Wikipedia インフルエンザ

大幸薬品 健康情報局
https://www.seirogan.co.jp/fun/infection-control/influenza/influenza.html