1月26日に2017年の「終末時計」の残り時間が発表されました。

2017年の終末時計の残り時間は2016年より30秒進み、残り2分30秒になってしまいました。

 

終末時計は、それまでの1年の出来事を踏まえて、世界の終わりまでの時間を午前0時までの残り時間にたとえて示すもので毎年発表されます。

2016年の残り時間は3分でしたが、2017年はトランプ大統領の核兵器や地球温暖化問題への発言などが影響して30秒短くなり、2分30秒となりました。

 

ところで、終末時計とは一体何なのでしょうか?

 

世界の終わりまでの残り時間を午前0時までの残り時間に例えて示すもの」であることはわかるのですが、あまり詳しく説明されたのを聞いたことがありませんよね?

 

この記事では、終末時計とは何か?や、残り時間の決定方法と誰が決定するのかなど、終末時計について分かりやすくまとめます。

また、終末時計の残り時間の移り変わりを、過去の出来事と比べて解説します。

 

さらに、1年で終末時計を30秒進めたアメリカのトランプ大統領の影響力が、昔の出来事と比べてどの程度なのかも消化します。

スポンサーリンク

終末時計とは何か?

まずは、困った時に頼りになるWikipediaさんから「終末時計」の説明を引用してみます。

世界終末時計(せかいしゅうまつどけい、英語: Doomsday clock)とは、核戦争などによる人類の絶滅(終末)を午前0時になぞらえ、その終末までの残り時間を「零時まであと何分」という形で象徴的に示す時計である。実際の動く時計ではなく、一般的に時計の45分から正時までの部分を切り出した絵で表される。「運命の日」の時計あるいは単に終末時計ともいう。
引用:Wikipedia

 

終末時計とは何かについてのポイントを整理します。

 

● 終末時計は、核戦争などによる人類の絶滅を午前0時に重ね合わせている。

終末時計の針が午前0時になれば、人類絶滅ということですね。
その時には誰も時計の針を進める人がいないでしょうが・・・

 

● 終末時計は、その終末までの残り時間を「0時まであと何分」という形で示す。

終末時計の残り時間は、たとえ話のようなものであって、明確な残り時間の決定の法則があるわけではないようです。
残り時間の決定方法や誰が決定するのかについてはあとでくわしく説明します。

 

● 終末時計は、実際の動く時計ではなく、時計の45分から正時までの部分を切り出した絵で表される。

終末時計は、あくまでの世界破滅の不安を表すシンボルのようなものですので、実際に時計が存在しているわけではありません。
ただし、アメリカのシカゴ大学にオブジェは存在するそうです。

終末時計のはじまり

終末時計は、日本に原子爆弾投下されてから2年後の1947年にアメリカの科学誌 Bulletin of the Atomic Scientists (原子力科学者会報)の表紙絵として誕生しました。

当時は東西冷戦時代(世界がアメリカ中心の西側とソビエト中心の東側に分かれて、武力行使しないスパイ合戦を繰り広げていました)のはじめの頃で、世界の平和に対する不安が急激に高まった時代です。

終末時計の残り時間は誰が決定してる?

終末時計の残り時間は、アメリカの科学雑誌 “Bulletin of the Atomic Scientists“が毎年発表しています。

終末時計が始まった当初は、雑誌の編集者で科学者でもあったEugene Rabinowitchさんが、他の科学者や政府外の専門家と協議して残り時間を決めていたそうです。

 

1973年に Rabinowitchさんが亡くなった後は、 同雑誌の ”the Bulletin’s Science and Security Board”(直訳すると”科学安全委員会”)がその責任を引き継ぎました。

委員会は年に2回行われ、変更の必要があれば、終末時計の残り時間が変更されます。

 

委員会のメンバーは、ノーベル賞受賞者15人を含む原子核技術や地球の気候に関する深い知識を持っている科学者や専門家からなっていて、政府や国際機関に専門的なアドバイスをしたりします。

参考:Doomsday Clock FAQ

終末時計の残り時間の決定方法は?

終末時計の残り時間は、前で説明したように、Bulletin誌の科学安全委員会で話し合って決定されます。

 

しかし、調べた限りでは、核戦争の危険性や地球温暖化の進み具合を数字として残り時間に置き換えるということではなく、専門家がはなしあって感覚的に決めているようです。

元から、終末時計の始まりの時間が決められていないですし、いつが最後の時なのかも誰もわからないので当たり前といえば当たり前ですね。

 

委員会での話し合いにより、人類滅亡の危険性が高まれば時計の針は進められ、逆に危険性が下がれば針が戻されることもあります。

スポンサーリンク

終末時計の残り時間の移り変わり

上で書いたように終末時計の残り時間は、進んだり、戻ったりします。

 

終末時計の残り時間の移り変わりを、その理由と合わせて表にまとめてみました。

西暦 終末時計の
残り時間
残り時間の変化の理由
1947年 7分 終末時計の創設
終末時計をデザインした芸術家のMartyl Langsdorf が“it looked good to my eye.”(私には良く見えるわ)と言って決めた。
1949年 3分 ソ連が核実験に成功
核兵器開発競争の始まり
1953年 2分 アメリカとソ連が水爆実験に成功
1960年 7分 アメリカとソ連の国交回復
パグウォッシュ会議の開催
1963年 12分 米ソが部分的核実験禁止条約を締結
1968年 7分 フランスと中華人民共和国が核実験に成功
第三次中東戦争、ベトナム戦争、第二次印パ戦争の発生
1969年 10分 米国の上院が核拡散防止条約を批准
1972年 12分 米ソがSALT IとABM条約を締結
1974年 9分 SALT Iに続く米ソの軍縮交渉は難航、両国によるMIRVの配備
インドが最初の「平和的核爆発」に成功
1980年 7分 米ソ間の交渉が停滞
国家主義的な地域紛争
テロリストの脅威が増大する
南北問題
イラン・イラク戦争
1981年 4分 軍拡競争の時代へ
アフガニスタン、ポーランド、南アフリカにおける人権抑圧が問題に
1984年 3分 米ソ間の軍拡競争が激化
1988年 6分 米ソが中距離核戦力全廃条約を締結
1990年 10分 東欧の民主化、冷戦の終結、湾岸戦争
1991年 17分 ソビエト連邦崩壊
ユーゴスラビア社会主義連邦共和国解体
1995年 14分 ソ連崩壊後もロシアに残る核兵器の不安
1998年 9分 インドとパキスタンが相次いで核兵器の保有を宣言
2002年 7分 米国がABM条約からの脱退を宣言
テロリストによる大量破壊兵器使用の懸念が高まる
2007年 5分 北朝鮮の核実験強行
イランの核開発問題
地球温暖化の更なる進行
2010年 6分 オバマ大統領による核廃絶運動
2012年 5分 核兵器拡散の危険性が増大したことや、福島第一原子力発電所事故が起きたこと
2015年 3分 気候変動や核軍備競争
2017年 2分30秒 トランプ大統領が核廃絶や気候変動対策に対して消極的な発言をした。

 

1947年に残り時間7分から始まった終末時計は、1953年のアメリアとソビエト連邦の水爆実験によって残り時間2分と危機的な状況になりました。

その後、東西冷戦終結やソビエト連邦の崩壊などで一時期は残り時間17分まで持ち直しています。

しかし、その後、中東問題や北朝鮮問題、地球温暖化などの気候の変化により、終末時計の残り時間は坂を転げ落ちるように短くなっていきました。

 

そして、2017年の残り時間はわずか2分30秒となってしまいました。

これは、終末時計が始まってから、ワースト2位の記録です!

いかに現在の世界の状況や地球環境が危うい状態かがよく分かりますね。

トランプ大統領の影響は水爆実験並?

2017年の終末時計の残り時間の発表で委員会は、「トランプ大統領は(選挙戦中に)韓国や日本が北朝鮮に対抗するために核兵器を持つことを提案するような核兵器に関する思いつきの発言をした」として懸念を表明しています。

また、地球温暖化対策にトランプ大統領は「公然と反対するだろう」と危機感を示しています。

 

トランプ大統領の発言や思想は、まさに東西冷戦時代の水爆実験並に危険であると専門家は考えているということですね。

まとめ

「終末時計」について、そのはじまりや決定方法と誰が決定してるのかなどについて調査しました。

終末時計とは、世界滅亡の不安や危機感を時計の針に例えて警告するものですが、その決定は国際的な原子核技術や地球温暖化の専門家が集まる委員会が行なっており、アメリカ政府や国際機関にも影響力を持っています。

2017年発表の残り時間2分30秒は、水爆実験につぐ「マイナスの影響」として、委員会がトランプ大統領を評価したということになります。

トランプ大統領には、この結果を重く受け止め、世界平和に向けて行動と発言の自重を望みたいところです。

スポンサーリンク